【夏目大一朗9】『映画版心霊調査ビッグサマー2』始動編(その1)

夏目大一朗と西川千尋



「『映画版心霊調査ビッグサマー2』を始動させる!」

と威勢よく書いてみたが、実際のところは「そろそろ映画版の2をやりたいと思うんですがねえ……」と、夏目大一朗が自身のニコニコ動画『ビッグサマー』チャンネルにおいて、いつもの申し訳なさそうな困り顔で語ったのは、2018年10月あたりのことか。

映画を制作するためには色々な障害がある。
なかでも大きなハードルは──。

お金だ。

映画を撮るにはカネがかかる。
興行収入30億円を超えた映画『カメラを止めるな!』の制作費300万円が大金に思えるほどの低予算自主映画であったとしても、卒業制作のそれではない。
人を動かすためには数十万単位のカネがかかるのだ。

映画版1を撮影したとき、夏目にはなんの後ろ盾もない状況だった。
だけれども、自分がつくりあげたYouTube版『心霊調査ビッグサマー』の世界観をより多くの人に観てもらいたい。
その一心で、全額自費でもって完成させたのだ。

その甲斐あってか、映画版1完成後、夏目の表現するところのそよ風にのり、ついには念願であったニコニコ生放送の公式放送において『映画版心霊調査ビッグサマー』が配信された。
2018年7月21日のことである。

そして同年10月6日、渋谷カプセルにて上映会を実施するに至り、盛況のうちに終わった。

夏目大一朗には、自身が思っている以上に夏目の作品が好きなファンが、潜在的な客層を含めて相当数いる。
無論、夏目作品において好きの程度は個々人によって異なる。
夏目の作品すべてが無条件に好きという人もいれば、異常性や暴力性の高い作風は受け入れがたいけれども、夏目と夏目組の女優、西川千尋との掛け合いが好きだから追っているファンもいる。
ただ『ビッグサマー』チャンネルの会員になっている人たちは、それぞれ色んな考えを持ってはいるが、ひとえに夏目と西川が中心となって活動している『心霊調査ビッグサマー』というコンテンツが好きだという一点においては共通している。

とにもかくにも夏目には『映画版心霊調査ビッグサマー』の次回作を心待ちにしているファンがいるのだ。
そして、そのファンのなかには出来る範囲は限られているかもしれないが、金銭面的な部分を含め、夏目の作品作りに協力したいと考えている層も確実にいる。
ただ以前の記事で指摘したとおり、夏目はカネに関しては弱いのだ。
弱いというと語弊があるかもしれないが、気後れしてしまう部分が見受けられる。
自分なんかにいいんですか、みたいな。

【夏目大一朗7】夏目とカネの話。夏目大一朗はケチなのか?

夏目大一朗という男は、監督や俳優としては強烈な個性を発揮し、自身の感性に同調するファンを魅了する手腕があったとしても、カネを集めるプロデューサーとしての能力は、残念ながら一段も二段も下がっている。
プロデューサーとしての能力が低いというよりも、ことお金に関しては弱気になってしまうのだ。
カネに対して変な執着がないという点は、夏目の良さでもある一方、弱点でもある。
要するに、夏目は生粋のクリエイターであり、映画職人ではあるが、映画商人ではないといえよう。

映画を撮るための資金集めについて。
映画版2の撮影資金にあてるべく、夏目は当初、映画版2のDVDを先に売ることを考えた。
先行販売という手段だ。
だが、これは販売を先倒ししているだけで映画制作にかかる十分な資金を得ることにはつながらない。
次に考えたのは、映画版2限定のグッズ、パーカーを売ること。

だが何度も本ブログで主張しているが、夏目はカネ集めが得意でない。
仮に物販を行うにしても、決して高くはない価格設定をしてしまうのだ。
だいたいファングッズというものは、数千円レベルの誤差で買う買わないが決まるものではない。

たとえば3,000円のDVDがあるとする。
これを5,000円と設定しても、買う人数はそんなに変わらない。
ファンであれば、多少高くても買うのだ。
3,000円のDVDを10人が買ったら、30,000円の売上。
5,000円にしたら、8人になると思われる。
だけど、40,000円の売上が見込める。

さあ、売る方としてはどちらの価格設定を選ぶか……?
大抵の人たちは目先の損得感情で後者を選ぶだろう。
だが、夏目はそうしない。
なぜなら、作品を目にする人が減る可能性があるから。
逆を返せば、すでに自作を買ってくれた人が許してくれるのであれば、全部無料でいつでも観られるようにしてもいい、と考えている。
今の時期はとにかく、露出したい。
露出して自分の作品を観てくれる人を集めたい、とそう心底考えている。

資金集めについて色々な方法を模索する夏目。
もちろん、クラウドファンディングはどうか、という話にもなる。
しかし、夏目はクラウドファンディングには難色を示す。
クラウドファンディングは、金額によって、その特典がかわる募集要綱になっていることが多い。
これもまた夏目の考えによるところが大きいが、自分たちのファンに対して、公式の場において優劣をつけたくないのだ。

とはいえ、映画を撮るには数十万におよぶ資金が必要だ。
では、どうするか。
夏目は、ある人物にアドバイスを求める。
それは誰か。
他でもないビッグサマーの救世主(メシア)──。

寺内康太郎

寺内康太郎

──寺内康太郎その人である。

『心霊調査ビッグサマー』タイトル画像

ニコニコ動画『ビッグサマー』チャンネル



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